生息地域
ディスカスの原種は南米、ブラジルのアマゾン川支流域に生息しているおり、水質の良い場所に群れで移動する傾向があります。アマゾン川の水温は年中28度前後をキープし、PHなど水質は雨季と寒気で変動します。また、大きく分けて3つの水質が存在し、クリアウォーター、ホワイトウォーター、ブラックウォーターとあります。 クリアウォーターは水の透明度が高く、PHと硬度も高く、ミネラルが豊富です。一方でブラックウォーターは真逆であり、枯れ葉などによって酸度が増し、水が茶色く変化します。 また、近年はアマゾンの環境変化とディスカスの乱獲により生息数や地域が非常に減少していることが問題視されています。![ディスカスが住むアマゾン川](https://et8yq544ycw.exactdn.com/wp-content/uploads/2020/04/アマゾン川に住むディスカス.jpg?strip=all&lossy=1&quality=70&fit=563%2C563&ssl=1)
ワイルド個体とブリードの違い
ワイルドディスカスは、アマゾン川で直接捕獲され、輸入された個体のため、飼育が難しいと言われることが多いです。原種は主にプランクトン、枯れ葉や苔を食べて生きているため寄生虫を持っている可能性が高く、日本に到着するまでの輸送時間が長いため、水質が変化し、体調を崩すリスクがあります。ワイルドディスカスの繁殖が難しく、同じ種類でも生息する川が違う場合は雑種になり、綺麗な個体が生まれにくいです。また、ワイルド個体同士を繁殖させたものはブリード個体と呼ばれます。
![アマゾン川の滝](https://et8yq544ycw.exactdn.com/wp-content/uploads/2020/04/アマゾン川の滝.jpg?strip=all&lossy=1&quality=70&fit=665%2C665&ssl=1)
ワイルドと比較して、ブリード個体の方が綺麗なことが多く、飼育しやすいため、改良品種されたディスカスの方が大変人気があります。日本に輸入されるブリード個体のディスカスは、錦鯉のように品種改良された種類が多数あり、大半は東南アジア(マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナム、タイ他)で繁殖されています。多くのブリーダーは厳しい繁殖条件、水質条件や衛生条件を満たしているため、安心安全な状態で国内に入ってきます。一方で、質の悪い親ディスカスを繁殖させるブリーダーもおり、ホルモン剤で模様や発色を挙げている方もいるため、注意が必要です。
デイスカスの種類
原種は、河川や地域によって生息する種類が決まっており、主に、ブルーディスカス、グリーンディスカス、ブラウンディスカス、ヘッケルディスカスの4種類に大別します。一方で改良品種のディスカスは、ブルーダイアモンド、コバルトブルー、ターコイズブルー、レッドメロン、スネークスキン、リングレオパード、オリエンタルドリーム、タイガーターコイズ、ミルキーウェイ、アルビノなど、多くの種類が存在します。ディスカス飼育の難易度
ディスカスの飼育は難しいと言われることは少なくありません。それは残念なことに多くの熱帯魚ショップで正しい知識を持っていなく、ネット上で出回っている間違えた情報を信じるためです。実際は、ディスカスの特徴と基本を適切に理解した場合は10年以上飼育でき、ディスカスのペアがいる場合は繁殖させることにも成功できます。水質にうるさい
ディスカスは他の熱帯魚と比較した場合は水質に非常に敏感なため、定期的に水換えを行う必要があります。水換えをする理由としては、硝酸(NO3-)を常に20ppm以下、亜硝酸(NO2-)とアンモニア(NH3/NH4+)を0ppmで維持しないと体調を崩したり、病気になったり、拒食になってしまいます。本来は他の熱帯魚でも当たり前な作業ですが、ディスカスは行動(近づいてこない、隠れるなど)や体色(黒くなるなど)でわかりやすく表現してくれます。 また、水温はヒーターを用いて28度以上に設定し、美しい健康的なディスカスを育てるためにはGH、KH、NO3を定期的にチェックおよび調整することをお勧めします。病気になることも
どの熱帯魚と同じようにディスカスも病気になることがありますが、ディスカスはわかりやすい方です。また、ワイルドディスカスに対して改良品種の方が病気しにくいですが、両方とも病気になることはあります。代表的な病気は主にヒレ腐れ病、エラ病、穴あき病ですが、それ以外にも拒食症になることもあります。また、「ディスカスが白点病になった!」という方もいらっしゃいますが、水温を28以上でキープした場合は絶対に白点病になりませんのでご安心ください。
ヒレ腐れ病(尾ぐされ病)
ヒレ腐れ病は濾過層内で繁殖する病原菌であり、多孔質ろ材を使用した場合に発生しやすいです。多孔質ろ材の場合は嫌気性バクテリアが繁殖するため使わない方がいいです。
穴あき病
穴あき病は人間でいう「おでき」のようなものです。穴あき菌に感染すると発症します。薬は様々なものが出回っており、薬を使っても効果がなかったという方が多いですが、実際はオクトシン成分のみが効果的です。
エラ病
寄生虫と細菌性の両方が存在します。片方のエラしか動かさない(たたむ)またはエラが広げる行動をします。
ディスカスは安くない
ディスカスの値段は数千円から数万円のものがあり、大きい個体の方が高い傾向があります。熱帯魚1匹に対しての値段は安くはないとされていますが、育て方によっては10年以上生きる個体もあります。何よりも美しいことと育てがいがあることが購入に至る多くの理由です。また、個人でディスカスをブリードしてオークションサイトで安く販売していることもありますが、ブリードは簡単なことではなく、病気にかかりやすいこともあるので要注意です。そのためJDL(Japan Discus Laboratry)では、ディスカスが稚魚(5mm程度)の際に免疫を上げるためにあえて稚魚を病気にかけさせるなど様々な工夫がされています。これは一般的には難しい作業です。デイスカスの飼育方法
熱帯魚の王様を健康的に飼育するにあたってはまず、水槽サイズ、フィルター、ヒーター、水質調整剤と餌が大事です。本記事では理想的な設備と一般的な商品を両方とも紹介します。それぞれのメリットとデメリットをご理解の上で商品を選んでください。水槽
主にアクリル水槽とガラス水槽が存在します。アクリル水槽は軽く、ガラス水槽より安いことで選ばれることが多いです。ただし、ガラス水槽は長期で見たさいに透明度が高く、清掃した際に傷がつきにくいメリットがあります。そして水槽サイズはディスカスを何匹入れるのかで決めます。
![ディスカス用の60cm水槽](https://et8yq544ycw.exactdn.com/wp-content/uploads/2020/04/アクアリウム用の水槽.jpg?strip=all&lossy=1&quality=70&fit=667%2C667&ssl=1)
60cm水槽でディスカスを飼う
60cm水槽と呼ばれるものは、横幅が60cmであることを示しています。メーカーや方式によっては高さや奥行きが異なり、それによって水量が大幅に変わります。
1回/週に80%の水換えをする場合は、60cm x 45cm x 45cm水槽(おおよそ100リットル)で、6cmサイズのディスカスを10匹飼うことが可能です。一方で、60cm x 30cm x 36cm(おおよそ60リットル)の場合は6cmサイズのディスカスは5-6匹になります。
フィルター
アクアリウム用のフィルターは主に上部フィルター、外部フィルターとスポンジフィルターがあります。上部フィルターと外部フィルターは、多孔質ろ材を使用し、ディスカスが病気になりやすいため一切お勧めしません。
また、スポンジフィルターの場合は病気の予防と手入れがしやすいメリットはありますが、流量が問題のため、エアリフト式の場合はNGです。ディスカスも人間同様に臭い匂いを嫌がり、怯えや成長不良の原因になります。そのため、水中ポンプ式の高性能濾過フィルター(JDL製)を使いましょう。
高性能ろ過フィルターVII 【100〜200リットル水槽用】